Tuesday, August 23, 2011

Emännän veitsi – 奥方のナイフ

夏休みのまとめ記事もこれで最後になります。そして、最後の記事はやはり鍛冶物。妻の誕生日が近いのでEmännän veitsi – 奥方のナイフを作ります。

Emännän veitsi = Naisen veitsi とか Akkain veitsiとも呼ばれ、女性、とくに台所を仕切る女性用のナイフになります。
(ちなみにフィンランド語でナイフはpuukko,包丁はveitsi(ヴェイチ)と呼びます。そしてEmännän(エマンナン)は『奥方の』の意味。)

通常このEmännän veitsiは、小型、薄めの刃で、柄はタングを曲げてそのまま柄にします。そこで、こんな感じのものをデザイしてみました。

今回は、ビッルネスの骨董屋で見つけた延ばしタガネが在りますので、これを使ってガンガンとタングを延ばせるはずです。


まずは素材の下ごしらえ。古ヤスリの目をグラインダーでガンガン落とします。

材料が揃った所で、火床を改良。ロストルを3本に減らし、空気の吹き込み口を耐火煉瓦で半分塞ぎます。これで炭の消費を減らし、奥の方にあまり温度の上がらない場所を作る事が出来るはずです。
火床が整ったら、火を入れ古ヤスリを過熱し素延べに入ります。

刃になる部分をほぼ予定の長さ、厚さ、幅に延ばし、先を斜めに切り落とし。


切り落としたらベベルを打ち出して切っ先を少し上げ、刃幅と形を決めます。
ここまで来たら後は簡単、ひたすら柄になる部分を叩き延ばすのみ。延ばし用の槌と延ばしタガネを使っていますのであっという間に延びます。が、ここで問題発生。刃側を掴んで柄の部分を再加熱し火床から取りだすと・・・

柄が無い!!??

炭を掻いて見るとありました。どうやら持ち上げた時に自重で折れたようですが、何で???

熔解した様子は全く無いので、無理に延ばしすぎたのでしょうか?今までに無い失敗なので全く原因不明。
仕方が無いので軟鉄の棒を鍛接し、延ばすために再加熱・・・ また折れた。何で?なんで???誰か教えて!!!


作りなおす時間は無いので予定変更。残った部分を薄く幅広に延ばし直してナカゴにします。
で、出来たのがこれ↓↓↓↓

柄材はセイヨウネズ
真鍮ピン2本
グラインドはコンベックス(どうせ研ぐのは俺だからこれでOK!)
料理以外にも使えるように刃は果物ナイフと通常のナイフの中間くらい。シースも、ベルトループとかどうせいらないだろうから無し。
後はリューターで名前彫って、今夜妻にプレゼントします。

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